大学院に進学するには、必ずしも大学を卒業している必要はない
あまり知られていないことですが、大学を卒業していなくても大学院に進学することは出来ます。
短大卒・高専卒・専門学校卒・大学中退・高卒でも大学院に行けるということです。
もちろん条件はありますが、基本的に
各大学院個別の入学審査で認められれば、短大卒・高専卒・専門学校卒・大学中退・高卒でも入学は許可されます。
たとえば元巨人軍のプロ野球選手の桑田真澄氏が早稲田大学院に合格しましたし、議員やタレントとして活躍していた杉村太蔵氏は、筑波大学中退でしたが、慶応義塾大学大学院に合格しました。
(余談ながら、大学院ではないですがタレントの萩本欽一氏は、社会人入試枠で駒沢大学に合格しています)
どれも当時メディアに取り上げられたので「大学を卒業していなくても受験資格があるのか」と思われた方が多いと思いますし、「それでは自分も行けるのか」という類の問い合わせが各大学に殺到したようです。
特に桑田氏の合格報道の際には「高卒の人間を大学院に入れるなんて、大学教育の価値そのものを否定している」等という批判もあったようです。
参考:「高卒で大学院受かるのか」 桑田合格で早大に質問相次ぐ
しかし大学院で研究してきた人間から見ると、これはとても表層的な部分しか見ていない意見です。
ご自分が経験してきたことを踏まえて、学問をしたいから大学院に行くというのは立派な動機です。大学を卒業していようがいまいが、大学院がこうした社会人のために門戸を開いているのは当然だと思います。
先に上げた桑田氏が入学した早稲田のスポーツ科学研究科(大学院修士課程)の社会人入学資格を一部抜粋すると以下です。
社会人入学試験
- 入学の時点で、大学を卒業後3年以上経過している者
- 大学評価・学位授与機構により、学士の学位を授与された後3年以上経過している者
- 外国において通常の課程による16年の学校教育を修了した後3年以上経過している者
- 文部科学大臣の指定した者、かつ所定の教育課程を修了した後3年以上経過している者
- 大学に3年以上在学し、または外国において学校教育における15年の課程を修了後3年以上経過している者で、当大学院において、所定の単位を優れた成績をもって修得したものと認めた者
- 当研究科において、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、入学の時点で最終学歴卒業(修了)後3年以上経過し、22歳に達する者
(引用元:https://www.waseda.jp/fsps/gsps/applicants/admissions/)
大学院というのは基本的に「学部レベルの知識があることを下敷きに、より高度な研究をする」ところですが、大学側に「学部レベルの学力がある。入学・研究させても支障なし」と判断されれば問題ないです。
特に社会人入試の場合、何十年も前に卒業した学校の最終学歴よりも「社会に出てからどのような実績を出してきた人なのか」「その経験を踏まえて、何を学び、どう活用するのか」のほうが重要です。
各大学院個別の入学審査で認められれば、短大卒・高専卒・専門学校卒・大学中退・高卒でも入学は許可されます。「自分には資格がないだろう」とあきらめる前に、ぜひ調べてみてください。