面接を受ける前に考えるべきこと

大学編入や大学院入試には、ほぼ必ずと言っていいほど二次試験に面接があります。

時々、筆記試験対策で息切れしてしまうのか、面接試験に関して全く対策を立てずに臨む方おられます。しかし、試験という名前が関されている以上、当然面接にも対策が必要です。

実際、面接に何も対策をしなかったために東大の学部からの内部進学にも関わらず東大院の入試に面接で落ちた友人がいます。また、東大の大学院入試に際し何も対策をしなかったために筆記試験は通ったけれど面接で落ちた友人もいます。東大・京大の大学院入試を三つ受けて、全て筆記では通ったのに全て面接で落ちた知人もいました。

筆記試験でパスしても面接試験にパスしなければその大学・大学院に合格することは当然できませんが、面接で気を抜いてしまう人が多く見受けられます。

それからこれは社会人よりもむしろ大学生に多いのですが「自分を入学させることのメリットを面接で相手に伝えようとする意識が無い」受験生がいます。

大学編入・大学院入試に限らず、就職面接でもバイトの面接でも何でもそうだと思いますが面接というのは「相手に、自分を採るメリットを感じさせなければいけない」ものだと思います(その前にそもそもの大前提として「この人はちゃんとしているから採っても大丈夫だな」と相手に思わせなければいけませんが)。

なぜか編入や大学院入試に際しては「自分のメリットのみ」しか考えていない人が結構多い気がします。つまり、「この大学・大学院に入ったら、自分はこうなって、こういう研究ができて、自分が幸福になれて満足だろう。だから受かりたい。合格させてください。合格したい」という主観的なアピールしかできない人が多いということです。

もちろんそうした主張で自分の学問への熱意を伝えるのも大事なのですが、同時にそれだけではなく「自分を合格させてくれたら、この大学・大学院・研究室にこんないい効果があります。このように貢献できます」という、いわば「相手のメリット」を客観的視点で考えてアピールしなければならない場所です。

★例えば社会人から早稲田大学に編入した後しばらくして、研究室の飲み会でこんなことがありました。

その飲み会の少し前に、たまたまエクステンションセンター(早稲田大学の公開講座)の学生であるという5、60代の女性と話をする機会がありました。

その際、その方に言われたのは「自分が若いころは、女性が英米文学を勉強しに大学に行くなんて、そんな時代じゃなかった。だから今、定年退職してから早稲田大学の公開講座で英米文学を学びはじめた。しかし、あなたはその若さでもういちど大学で学ぶチャンスが与えられたのだから、しっかり勉強して社会に貢献しなさい」ということでした。

この話をたまたま研究室の飲み会で教授に話のタネに話題にしました。すると、その教授は隣にいた20歳くらいの大学生に「君、ちょっとこの人(私のこと)と積極的に話をしたほうがいいぞ」と言いました。大学が社会人をわざわざ緩い別枠で受け入れる大きな理由の一つは、これです。

つまり「大学の中にいる若い学生に、社会人ならではの刺激をあたえてくれることを期待している」のです。勿論そんなことを面と向かって言われたことはありませんがちょっと考えたら分かる筈です。

こうした視点なしで「自分のメリット、自分の欲望、自分の主張」の押し付けだけを面接で話すと、学生ならまだしも社会人は印象がよくないでしょう。

勿論、言葉にして「自分をこの大学に入れてくれたら、こんないいことがありますよ」とアピールする必要はありません(私もそれはやったことがありません)。

しかし、面接官(たいてい、自分が所属することになる研究室の大学教授です)に、「これなら、うちの研究室に入れても大丈夫だろうな」とか「うちの研究室の大事な学生にもしかしたらいい影響を与えてくれるかもしれないな」とか、そもそも「多分、人間的にそんなに問題のある人ではないだろう」「まあ、ちゃんとした人だろうな」という印象をしっかりと与えることは、見落とされがちですが大切なポイントです。

いくら学問に対する熱心な姿勢があっても「なにか違和感を感じる」人を、自分の研究室に積極的に入れたいと思う教授はいません。編入・大学院入試の面接は学問への熱意と、自分の人としての魅力を両方とも伝えて採用してもらう場だと思ってください。そのためにはしっかりした準備と対策、面接の事前練習が欠かせません。

いつもありがとうございます。