『突撃!オトナの大学院』

「中卒でも大学院生になれるってホント?」

何年も大学院という象牙の塔の中にいると、社会の常識や感覚の「当たり前」が分からなくなることがありました。この本の帯に書かれている「中卒でも大学院生になれるってホント?」という言葉を見て、それを思い出しました。

この部分を読んで私は、「ああ、確かに中卒でも高卒でも別に入れますよね」と思いました。ただ、この感想が一般的でないのはよく知っています。

大学や大学院というものにあまりなじみがない社会人に「それをもっと本格的に勉強しに大学院に行かれるといいですよ(比較的、簡単に入れるから)」と言うと

「そ、そんな、恐れ多い・・・」とか「自分には雲の上の話に感じる!」とか「考えたこともなかった」というような反応が9割です。

大学や大学院というものに馴染んでしまって、社会人の学生もいろいろ見てきた身からすると「何も恐れ多くないし、全然雲の下の話なのだけどなあ」と、いつも勿体なさを感じます。

今回紹介するこの『突撃!オトナの大学院』という本は、「大学院なんて自分には無理」と思っている方にお勧めしたい一冊です。

著書はデザインの専門学校を出て、長くプロのデザイナーやデザイン学校で講師をされてきた方。つまり、大学を卒業していません。そこから、大学は飛ばして大学院に進学されています。

こう聞くと殆どの方は「そんなことが出来るのか?」と感じると思います。でもこれも一般人の思い込みで、大学や大学院の中にいると時々お見かけする人種です(私も似たようなものでしたし)。

この本を読めば「大学を卒業していなくても大学院に行ける」ということに気づくと思います。

心のどこかで「大学」「大学院」という言葉が気になっている方には、ぜひご一読をお勧めします。自分の中で「今から大学・大学院に行く」という選択肢ががぜん現実味を帯びてくるからです。

大学院に行くと視野は確実に広がる

本書を読んで、私が一番共感したのはこの部分です↓。

東大の大学院に行って、確実にものの見方が変わった自覚があります。これは単純に「勉強をみっちりやり直した」のもあると思いますが、それと同じまたはそれ以上に

自分と明らかに異質な人間と接し続けたことで、それまで曇っていた部分が磨かれて見えるようになったからです。バスルームミラーのいつの間にか曇った部分がクリアになり可視範囲が増えた感覚に近いです。大学院という特殊洗剤で磨いた効果だと思います。

そうした自分の経験からも「視野を広げたい」というなら大学院への進学は本当にお勧めです。ただ、多くの方がそれを一瞬は選択肢として考えはするのですが、次の瞬間

「そ、そんな、恐れ多い!!」とか「自分には雲の上の話に感じる」とか「私にはとてもとても」とあきらめてしまいます。実際は全然そんなことないのですが・・・。

本当に勿体ない事なので「大学院に行きたいけど自分には恐れ多い」と思っている方は、是非この本を一度手に取られることをお勧めします。それだけでも、心のバスルームミラーの「大学院に対する先入観」という曇りが剥がれるはずです。