社会人入試に向いている人・向いていない人

「孤高の人」には社会人入試をおすすめしない

自分は社会人から、学士編入で早稲田大学⇒東大の大学院に進学しました。

このためいろいろな社会人の方から「自分もいつかは大学に行きたいのですが・・・」という質問をされます。しかし学力云々の前に、社会人入試に向いている人と向いていない人には大きな違いがあります。

一言でいうと、コミュニケーションスキルの有無です。
世の中には、一匹狼というのか、「人に相談しない・弱音を吐かないのが美徳」だと考える人種がいます。自立心・自尊心が強いことは、勿論悪いことではありません。

しかし「人に相談せず、どんな時も自分一人の力で何とかしようとする」性質は、こと社会人学生には足かせとなる場合が多いです。

何故なら何年も勉強や研究をしていると、必ず壁にぶち当たる時が来るからです。その時に周りに助けを求められるか否かというのは、とても重要なポイントです。

そして社会人学生が「助けを求める相手」というのは当然のことながら、かなりの高確率で自分よりも年下の学生です(場合によっては、教授さえも年下かもしれません)。

「自分よりも明らかに年少で人生経験が少ない相手に助けを求められるか?」「積極的に自分から若い学生に近づいてコミュニケーションを取れるか?」というのは重要な問いです。

社会人が大学に進学すると、それまで生きてきた社会とは作法やルールが違う環境の中で、慣れない学問研究をしなければならないです。

また、授業をちょっと休んだり、分からないことが出てきたときに気軽に聞ける学生がいるかいないかというのは多くの社会人学生が思っているよりも重要です。

一回休んでその休んだ回に与えられた情報を知らなかったために単位を落とした!という話はよく聞きます。

一人で何でもやろうとする心意気は素晴らしいと思いますが、それで最後まで突き通そうとしても、必ず行き詰まります。社会人学生が行き詰まった時に「質問できる」「泣きつける」「弱音が吐ける」相手がいるかいないかというのは本当に明暗を分けます。

自分は果たして、入学した後に自分よりもはるかに年少の学生に自分から話しかけることが出来るだろうか? ということは一度考えておくべきだと思います。社会人が学生になったら、必ずそのアクションが要求される時が来ます。

学問の質問なのだから、教授に相談すべき?

教授というのは忙しいので、そんなにお気軽・簡単にいつでも捕まえることはできません。
さらに教授の視点というのは「その時点の自分にはレベルが高すぎる」場合があります。自分も、若い学生の“先輩”や助手の先生に質問したほうが(自分の視点に近いので)実践的で話が早いことが多々ありました。

こういうと「年少の人間から年長者に話しかけるのが筋だろう」と考える方がいます。しかし、10~20代の学生というのは「大人に接触する機会がほぼ無いまま大学生になった」人たちなので、「社会人学生」という突然変異体への近づき方など分かりません。

基本的に10代~20代前半の学生というのは「大人との会話慣れ」などしていないので向こうから気軽に話しかけてくるというパターンはまずないです(あなたが20歳そこそこの時も、見知らぬ大人に話しかけるのは相当勇気が要った筈です)。

もちろん、生まれつきよっぽど取っ付きやすいオーラを出しているというなら話は別ですが、そんな方はめったにいないので自分で意識的に行動や考え方を変えるしかありません。

なお若い学生は自分からはまず社会人学生に近づいて来ませんが「階段を降りて自分の方に近づいてくる社会人学生」にはきちんと対応してくれますし、質問にも親身に相談に乗ってくれます。