動機と勉強を結びつけることが大事

社会人・大学生問わず色々な方から大学院や編入の進学相談を受けてしばしば感じるのは「動機の深堀りが不完全な人が多い」ということです。

例えば社会人で「早稲田大学に行きたい。受験生時代に早稲田に落ちたから、社会人入試なら科目も少ないしあわよくば受かるかもしれないから、大学受験のリベンジして学歴ロンダしたい」という方が時々(というか、結構)おられます。

未だ社会に出ていない高校生や浪人生ならこの動機でも仕方ない面があります。

しかし社会人の場合、これでは合格はおろか、勉強を続けるモチベーションを保つことも難しいでしょう。なぜかというと「合格した後、どうするのか? 卒業した後、習得した知識をどう社会で活躍するつもりなのか」というところまで自分の中で動機が全く落ちていないからです。

この程度の動機では勉強しなくなるのは、ある意味当たり前だと思います。「辛い思いをしてまで受験勉強しなければならない理由」が弱いからです。

合格した先の未来、理想の自分像と言ってもいいかもしれませんが「こうなれるのなら、勉強しよう! 勉強して、こうなるために、自分が欲しい未来を手に入れるために進学することが必要なのだ」と思えるところまで、動機を深堀りできているかどうかは多くの人が思っているよりもかなり重要です。

合格の先にきちんと未来の理想像があるか、それとも単に合格することだけが主目的になっているかは大きな違いです。

また多くの場合、面接で「合格したら、どうするのか? 卒業した後、習得した知識をどう社会で活躍するつもりなのか」というようなことを訊かれるでしょう。もっと露骨に言い換えると

「学校を卒業して社会に出た貴方が、または多くの人が社会に出て活躍しようという年齢の貴方が、わざわざもう一度学校に戻ってくる・留まる理由は何ですか? 学歴ロンダリングが目的ではないのですか。単に社会に出て働くのが嫌だからではないのですか」

という質問に試験官が納得する回答を用意していますか? ということです。

こういう質問をされた時に自信を持って自分の言葉で「いいえ、違います。なぜなら、・・・・・だからです」と答えられるかどうかは色々な意味で重要です。

例えば「自分の卒業大学よりランクが上の大学院に行きたい」という大学生の中には「周りが就職活動し出して、自分も現実を見なければいけなくなったけれど、今のままの学歴で就職活動をしても大企業には相手にされない(と思っている)。その現実を見るのが怖いから社会に出たくない」という理由だけで大学院を希望する人が毎年少なからずおられます。

こうした消極的な動機がダメだというつもりは全くありません。
むしろ多くの受験生の動機にこれと似たり寄ったりな部分があると思います。しかし、これが動機の全て・または殆どでは、やる気を長期的に維持するにはあまりにも弱すぎます。

動機が後ろ向き過ぎると多くの時間と労力の犠牲を払って長期間の受験勉強など、とてもやっていられないでしょう。

多くの人は、複数の動機が複雑に絡み合って存在しているはずです。
ですからこうした後ろ向きでネガティブな動機だけではなく「○○について、もっと専門的な学問をしてみたい」などのポジティブで自分の欲望を刺激する強力な動機がないと、自分の中から「やろう」という力が湧いてこないというか、勉強のモチベーションを保つのは難しいです。

ぜひ本格的に受験勉強をする前に、自分の心を深く掘って、何故進学したいのか、その理由を思い起こした時に「よし、そういう未来が手に入るなら勉強しよう」「そうだった。自分はそのために今勉強してるのだった」と思える自分オリジナルの動機を掘り当こすことを強く推奨いたします。